オリゴ糖


オリゴ糖とは

糖質には、単糖類、少糖類、多糖類の三種類に分類されています。
この中で糖としてはこれ以上分けられない最小単位を「単糖類」と呼び「グルコース(ブドウ糖)」や「フルクトース(果糖)」 等があります。


この単糖類が、2〜4個から場合によっては20個位までが結合したものを「少糖類またはオリゴ糖(oligosaccharide)」と呼び、 2個結合した二糖類の「ラクトース(乳糖)」や「スクロース(ショ糖)」3個結合した三糖類の「ラフィノース」等があります。


そしてこの単糖が数千数万と桁違いに結合したものが「多糖類」と呼ばれ「デンプン」「セルロース」「ヒアルロン酸」等があります。。


単糖や少糖類(オリゴ糖)は多糖類と違い水溶性のものが多く、無色・無臭だが甘い味がするものが多いといいます。
ただ、消化器官では消化吸収され難い「難消化性糖質」や「部分消化性糖質」という性質を持っているので、消化吸収されずに 大腸まで届きそこで腸内のビフィズス菌等の常在菌のエネルギー源になり、 その菌たちによって発酵・代謝を経て各種の人体に有益な短鎖脂肪酸などに合成されるのです。


言い方を変えれば、ヒトの体に吸収されることなく消化器官の有益菌のもとに届き、 有益菌の増殖や人体に良い短鎖脂肪酸を産生するのに使われるものがオリゴ糖なのです。


腸内フローラの特に善玉菌と呼ばれる人体に有益なビフィズス菌などの増殖因子、 つまり餌としての効果が認められているのがオリゴ糖と言う事ですネ。



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ビフィズス菌
短鎖脂肪酸


オリゴ糖の主な種類


ラフィノース(raffinose)

ラフィノースは、ビート(甜菜・砂糖大根)に多く含まれ、 抽出・精製されるため「ビートオリゴ糖」とも呼ばれている、オリゴ糖の中では珍しく植物から精製される天然物質です。


フルクトース、ガラクトース、グルコースの3種類の糖が1分子ずつ結合している三糖構造をしています。


ヒトの消化管では消化されにくい「難消化性」で低カロリーで摂取後の血糖値も上がり難いのですが、 大腸内ではビフィズス菌の増殖因子になるため、整腸作用があります。



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ラフィノース
ビフィズス菌

フラクトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖は、ショ糖(砂糖)から製造するのですが、 甘味は砂糖の30%程、カロリーは砂糖の50%程の、「難消化性」でヒトの消化管では消化吸収しにくいので 腸内でビフィズス菌の増殖因子として働くという特徴があります。


アスパラガス、ごぼう、タマネギ等に多く含まれてはいますが、特定の効果を期待するには少ない量なので、 効率よく整腸効果などを希望するのであればサプリメント等をお勧めします。



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フラクトオリゴ糖
ビフィズス菌

ガラクトオリゴ糖

ガラクトオリゴ糖は、母乳や牛乳に含まれるオリゴ糖で、 グルコースとガラクトースから成る乳糖に、ガラクトースが更に1〜4分子結合した構造をしています。


また、ビフィズス菌の増殖因子の他にも、 各種ミネラルやタンパク質の吸収を助けたり、虫歯になりにくいという機能も持っています。


その上、熱や酸に対して非常に安定しているため調理に使いやすく、 お菓子作りなどに用いられることが多いようです。



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ガラクトオリゴ糖
ビフィズス菌

キシロオリゴ糖

キシロオリゴ糖は、トウモロコシやタケノコなど多くの植物に含まれる、 五炭糖のキシロースが、2〜7個程度β−1,4結合したオリゴ糖です。


便の水分量を調節した整腸効果の他に、ミネラル分の吸収促進効果、 ビフィズス菌の増殖作用など、 継続摂取すると他のオリゴ糖より少量で効果が得られるといわれています。


また、加熱や特に酸には強く安定しているので、健康飲料やチョコレート、キャンディー等の 菓子類など多方面で使用されています。



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キシロオリゴ糖
ビフィズス菌

イソマルトオリゴ糖

イソマルトオリゴ糖は、清酒、みりん、味噌、醤油等の発酵食品や大豆、蜂蜜などにも少量含まれていますが、 製造する時の原料には、トウモロコシやジャガイモ等のでん粉を使います。


甘味の他に、旨味やコクがあるので和食の味付けには使いやすいのですが、他のオリゴ糖に比べカロリーが高く、 腸内では多少消化吸収されてしまうという特徴があります。


一方で、保湿性や防腐性などが高く煮物の型崩れ防止や、調理済食品の日持ち効果は高いといえます。


もちろんビフィズス菌の増殖作用に加え、 免疫機能の向上・強化にも役立つといわれています。



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イソマルトオリゴ糖
ビフィズス菌
免疫

大豆オリゴ糖

大豆オリゴ糖とは、大豆に含まれる天然のオリゴ糖の総称で三糖のラフィノースや四糖のスタキオース等があり、 いずれも大豆をはじめとして、味噌、醤油、豆乳、納豆、豆腐等の大豆製品に多く含まれています。


特徴としては熱や酸に強く、少量でビフィズス菌など有益菌の増殖を促進する効果が期待されています。



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大豆オリゴ糖
ビフィズス菌

ラクトスクロース(乳果オリゴ糖)

ラクトスクロースは「ラクチュロース」「ミルクオリゴ糖」 「乳果オリゴ糖」とも呼ばれ、 オリゴ糖の中では最も砂糖に近い甘味を持っているといわれています。


牛乳に含まれている乳糖と、サトウキビに含まれているショ糖から作られますが、 甘さもカロリーも砂糖より低く、その上虫歯の原因にならないという特徴があります。


もちろん他のオリゴ糖同様ビフィズス菌の増殖に効果や、ミネラル分の吸収促進効果、 感染症予防効果等もあるといわれています。



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ラクトスクロース
ビフィズス菌

オリゴ糖の機能


プレバイオティクスとしての機能

ヒトの口腔内に居る虫歯の原因菌であるストレプトコッカス・ミュータンス菌は、 糖質を酸に変えるため虫歯の原因になるのですが、ガラクトオリゴ糖をはじめとするほとんどの オリゴ糖は基本的に歯垢の原因となる不溶性グルカンの生成もなく、ストレプトコッカス・ミュータンス菌が 酸を作るのに利用できない糖である「難う蝕性機能」が明らかになっているので虫歯になりにくく、 そのため菓子類なども広く利用されています。


「難消化性」で消化吸収されにくいという特徴から便秘改善に直接の効果があり、餌になって ビフィズス菌などの善玉菌が増えた結果、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させたり、 悪玉菌の減少による各種有毒物質産生の減少によるアンチエイジング効果なども期待されます。


特に、ビフィズス菌乳酸菌等の 有用菌である「プロバイオティクス」と一緒に摂取する「プレバイオティクス」としての有効性も十分確認されていますから、 食事の偏りや睡眠不足などの習慣的なストレス等で健康に不安がある方には日常の習慣として摂取が望ましいと考えます。



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ビフィズス菌
乳酸菌