ビタミンA


ビタミンAとは

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ビタミンA(Vitamin A)


脂溶性ビタミンで、ビタミンA1と呼ばれるレチノール(Retinol)、レチナール(Retinal)、レチノイン酸(Retinoic acid)と、 ビタミンA2と呼ばれる3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸の総称ですが、 人体に存在するビタミンAはそのほとんどがレチノールなので、狭義にはレチノールをビタミンAと呼ぶこともあります。


ちなみに、その名が示す通りレチノールはアルコールなので、ビタミンAアルコールと呼びます。


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また、体内においてビタミンAへと変換されるβ−カロテンなどを総称してプロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれているものや、 広範囲の植物に含まれているカロテノイドと呼ばれる黄色や橙赤色の色素でβ−カロテンの他 α−カロテンやγ−カロテンなどがあります。
中でもニンジンに多く含まれていると有名なβ−カロテンは、実際に体内で効率よくレチノールに変換されます。


少し前までは、ビタミンAはビタミンA効力(IU)という国際単位で表示されていましたが、 最近ではビタミンAの作用する量であるレチノール当量(μg)で表されるようになってきています。
そのため現在では、ビタミンA効力1IU=レチノール当量0.3μg相当で換算しています。


厚生労働省の日本人の食事摂取基準2015年策定検討会報告書では、一日当たりのビタミンAの推奨量は、 成人男性で800〜900μgRAE、成人女性で650〜700μgRAE(RAEはレチノール活性当量)なのですが (妊娠後期や授乳期の女性はこれよりも多く必要になります)、同じく厚生労働省の平成26年国民健康・栄養調査報告では、 成人男性の平均摂取量が545μgRE、成人女性の平均摂取量は500μgRE(REはレチノール当量)でした。


推奨量は、推定平均必要量に40%上乗せしている数字ですから、 上の結果だけで直ちにビタミンAが不足していると言う訳ではありませんが、 飽食の時代といわれカロリーは摂りすぎ状態が続いているのに、 ビタミンは必要最小限ギリギリの低空飛行状態なのはバランスが悪いかも知れません。


脂溶性ビタミンであるビタミンAは、水には溶けませんが、酸・乾燥・高温や光に弱いと言う特徴があるので、 ビタミンAを摂りたい調理の時は、新鮮なものをあまり加熱しないという方法が良いです。
また、脂溶性の性質で、油を使った調理の方が吸収するときの効率が良いといわれているので、 短時間で油を使った炒め物などが向いていると思います。


ヒトの体内での働きは、発育促進、暗いところに目が慣れていく力の視覚の闇順応、色覚、皮膚の健康、などが良くあげられます。
そういえば以前は、ニンジンが嫌いな子供に大人たちは 「馬はニンジンが好きだから、夜でも目が見えて乗せている人間が目を閉じていても帰ってこられる」と言っていたのを思い出します。
……あながち嘘でもなかったんだナ。


発展途上国や内戦などで食料が手に入りにくい国や地域では、ビタミンAの不足で特に子供たちの中に失明など視覚障害が発症しているといわれ、 近年ビタミンAの投与で次第に改善してきているとも言われていますが、日本においては、よほどの偏食や不十分な食事を続けない限り健康な人では、 欠乏症が発症するほどの不足は無いといわれていますが、前述の成人平均摂取量がギリギリという事は日本人の場合、 他のビタミンも含め思った以上に不足している人が多いのが現状という事になるのかも知れません。


実際に不足した場合は、皮膚の乾燥・色素沈着・角質化、成長不良や骨・歯の変形、感染症への抵抗力低下、 夜盲症などが発症するようです。


また、逆に過剰摂取によるものとしては頭痛・吐き気・疲労感・脱毛・食欲不振・睡眠障害の他、 肝機能障害や皮膚・骨の異常、神経系への影響も考えられます。
特に、妊娠初期や妊娠を希望している女性の過剰摂取は、胎児への悪影響が報告されているので、注意が必要だといわれています。
いずれにしろ脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいので、極端な過剰摂取は避けて、毎日適量の範囲内で摂るのが正しいと思います。


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ビタミンAは、色々なものに含まれていますが、特に多い食品としては、鰻、レバー、卵、バター、チーズ、マーガリンの他 ニンジン・ホウレン草・小松菜・春菊などの緑黄色野菜ですが、私たち日本人はこの緑黄色野菜から摂るビタミンAが最も多いといわれています。


確かに緑黄色野菜の料理なら作りやすいし、食べ慣れていますよね。


最近、冬以外の季節でも乾燥肌がかゆくて夜も眠れないとか「孫の手」が手放せない人や 、暗いところにすぐに目が慣れなくなったという人はビタミンAの不足かも知れません。
今日から早速ホウレン草のバター炒めを食べてみてはいかがでしょう。
バターが品薄なら(最近は店頭に並ぶようになりましたね)マーガリンでも構いません。


但し、夜トイレに起きた時に目が見えづらくて転んでしまったという人は、 ほうれん草のバター炒めではなく眼科の受診をお勧めします。


ただ、いずれの症状もビタミンビタミンAの不足が原因であることが大きな可能性として考えられますから、 そうなる前に栄養のバランスを考えた食事を普段からこころがけることが重要ですけれど……。


だからといって不足しているのはビタミンAばかりではありませんし、あれもこれもは食べきれるものでもありません。 特に仕事などで食事をするのもままならないとか、外食が多くて解ってはいるのだけれど偏った食事になってしまうという方は、 サプリメント等で補うのが次善の方法ですが、その場合もくれぐれも用量用法を守って過剰摂取などのないように心がけましょう。


ちなみに、プロビタミンAであるβ−カロテンなどは体内で必要な量だけビタミンAに変換されるので過剰症と言われるほどの事は、 ほとんど起きないといわれています。
まあ、β−カロテンが多く含まれているミカンを食べ過ぎて手が黄色くなるくらいでしょうか?



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