β−カロテンとカロテノイド


β−カロテン カロテノイドとは

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β−カロテン 黄〜赤の色素カロテノイド


β−カロテンとは、菌類・藻類を含む植物に広範囲に分布している主に黄から橙、 橙赤色の色素であるカロテノイドの一つです。


カロテノイドは、pHに影響を受ける事のない安定性があり、脂溶性で水に溶けにくく、 黄色の花や果実にはカロテノイドの黄色による場合が多く、 カロテノイドの濃度が高い場合は赤く見える場合もあります。


また、緑色の植物の葉緑体には緑の色素であるクロロフィルと共にカロテノイドも含まれています。


天然のカロテノイドの仲間は700種類以上もあるといわれていますが、 基本構造の水素と炭素に酸素原子が付いていてアルコールに溶けず、 主に細胞内で働くキトサンフィル(Xanthophyll)類と、酸素原子の付いていなくてアルコールに溶け、 主に細胞膜で働くカロテン(Carotene)類に分けられますが、β−カロテンは後者に含まれます。


いずれにしても、ヒトをはじめとして動物はこれらを体内では生成できませんので、多少体内に居る細菌が生合成で産生してくれる以外は、 主に野菜や果物などの植物から摂取しなければなりません。


カロテノイドの人体での働きとしては、抗酸化作用が近年有名になってきています。
抗酸化作用とは、名前の通り酸化を抑制する働きの事です。


人は呼吸などで、平均すると一日当たり500リットル以上もの酸素を体内に取り入れ、 これにより食事で摂った栄養素を燃やし(酸化)エネルギーを産生していますが、 この過程で一部の酸素が活性酸素という大気中の(呼吸で取り込んだ)酸素分子よりも、より反応性の高い化合物に変化してしまいます。


この活性酸素にはとても強い細胞障害の力があり、免疫機能の中の 好中球などの貪食細胞達が、活性酸素を使って外部から侵入してきた 細菌などを食胞に取り込んで分解・殺菌するために用いたりしていますが、 同時に体内の活性酸素は、自分の細胞のDNAも傷つけることが知られています。


つまり、体内でエネルギーを産生するために取り込んだ酸素が回りまわって活性酸素になり、 免疫等で使われなかった残りが自分の体を傷つけていると言う訳なのです。


DNAをはじめとして細胞自身もその強力な酸化反応力で酸化してしまうということは、 とにもかくにも老化するのと同じことだと良く言われます。


細胞が活性酸素にさらされると、細胞膜の脂質が酸化し栄養や老廃物のスムーズな出し入れが出来なくなったり、 遺伝子が傷つけられ細胞自身が変異(ガン化)したり死滅したりしてしまいますし、 各種の生活習慣病の原因の一つにもなっているといわれています。



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免疫
好中球
細菌


キトサンフィル類の仲間

β−クリプトキサンチン


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橙色の色素で、活性酸素の除去や発がん物質抑制の効果があるといわれています。


トウモロコシや柑橘類に多く含まれていて、特にみかんには多いので寒くなったら温州ミカン、 暖かくなったら夏みかんを食べましょう。


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ルテイン


黄色の色素で、有害な可視光線を吸収したり、目を保護したりするため白内障や加齢黄斑変性などの眼病や 目の老化の予防などに効果が期待されています。


トウモロコシの他ホウレン草やキャベツ等の緑黄色野菜や豆類・卵黄などに多いので、夏はトウモロコシ、 冬はホウレン草が良いでしょう。



カブサンチン


赤色の色素で、動脈硬化を予防するなど強力な抗酸化作用を持つといわれています。


赤唐辛子に含まれているのは有名ですから、大量に摂るのは無理なので、気がついた時に少しずつ使えるように、 食卓に常時置いておくと良いかも知れません。



アスタキサンチン


赤色の色素で、とても強力な抗酸化力は皮膚の老化の抑制に効果があるといわれています。


エビ・カニ・鮭などの甲殻類・魚介類や海藻類に多いので、エビ・カニを毎日食べるのは(財布に)無理でも、週一くらいは 鮭の切り身に海藻の味噌汁でもいかがでしょうか?




カロテン類の仲間

α−カロテン


赤黄色だが、物質としては紫色の色素で、抗酸化作用はβ−カロテンよりも強力だといわれています。


緑黄色野菜だけではなく多くの植物に見られ、ほとんど水には溶けださない脂溶性なので、野菜炒めがお勧めです。


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リコペン


赤色の色素で、活性酸素除去能力や抗酸化力は特筆するほど強力なものを持っていて、老化の抑制、 動脈硬化など生活習慣病の予防効果や各種がんの抑制作用まであるといわれています。


柿・金時ニンジン・スイカなどに多く特にトマトには大量に含まれているのは、良く知られています。しかも、 トマトの場合は赤色が強い完熟の状態の方がより多く含まれているため、生食より加工品の方が大量に摂るのには都合が良いようです。
生活習慣病やがん予防に、トマトの缶詰で週に一度トマトカレーなど、どうでしょうか?



β−カロテン


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黄色の色素で、分子内に2個のレチノール(ビタミンA)が含まれているので、ビタミンA活性(ビタミンAになり易い)があり、 人体の脂肪組織に蓄積されながら、必要なときに必要な量だけ体内でビタミンAに変換されるのでビタミンAの過剰症の心配がありません。


また、活性酸素を抑え込む抗酸化作用や、細胞膜損傷を防ぎ、免疫機能の強化や発がん物質生成の抑制にも効果があるといわれています。


ニンジン・かぼちゃ・ホウレン草や小松菜などの緑黄色野菜に多く含まれていますので、毎日120gを目指して頑張りましょう!


※「厚生労働省の健康日本21」の成人摂取目標で野菜350g/日以上とありますが、 そのうち緑黄色野菜は120g/日以上という目標が掲げられています。




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