マクロファージ


マクロファージとは

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マクロファージ(macrophage)



マクロファージとは白血球の一種です。


遊走性があり、体内の死んだ細胞や変性物、侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を取り込み殺菌分解する 「貪食細胞」や「食細胞」と呼ばれる仲間で、ヘルパーT細胞などへ自分が殺菌分解した 細菌やウイルス等の異物の情報を知らせる「抗原提示細胞」でもあります。


マクロファージは白血球の中の「単球(単核白血球)」から分化したものです。
また、自己分裂によっても増殖できる事もありますが、いずれにしても寿命は数か月程といわれています。


通常は体組織中に存在しているのですが、アメーバの様に形を変え組織内だけでなく細胞間にも入れる「遊走能」と呼ばれる 運動能力によって「自然免疫(基本免疫、先天性免疫)」の重要な担い手にもなっています。



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自然免疫(基本免疫、先天性免疫)での役割

マクロファージをはじめとする貪食細胞は「自然免疫」とか「基本免疫」「先天性免疫」などと呼ばれる免疫系に分類され、 これは、ほぼ全ての動物が生まれながらに持っている免疫系であり、最初から100%に近い状態で作動しています。


ヒトをはじめとする動物の体内に細菌やウイルスまたは毒素などの異物が侵入すると、 その異物に侵入を受けた細胞が「エイコサノイド」や「サイトカイン」等の化学伝達物質群を分泌することで自分やその周囲の細胞・組織が 赤く腫れたり、発熱や痛みなどの「炎症」を起こしますが、これは「免疫応答」と呼ばれ、体(細胞)が外敵の侵入を知らせる 最初の信号の一つなのです。


この「エイコサノイド」に含まれるロイコトリエンはある種の白血球(リンパ球)に作用しますし、 「サイトカイン」の種類には「インターロイキン」と呼ばれる白血球同士の情報伝達に関与している物もありますが、 その「サイトカイン」の中の「ケモカイン」はマクロファージを呼び寄せる作用があるといわれています。


この細菌などの異物の感染を受けた細胞が出す免疫応答は、細胞が免疫系に助けを求めているわけで、 この「悲鳴」を聞きつけてマクロファージ等の食細胞達が現場に駆けつけて来るのです。


こうして感染した細胞のいる現場に到着したマクロファージは、そこに自分ではない「非自己」がいると それを異物と見做します。


その異物とは、外部から侵入してきた細菌やウイルスの場合もありますし、 それらに感染した元は自分の細胞かも知れませんが、でもマクロファージはそれら全てを「非自己」と判断してしまいます。


相手を「非自己」と判断したマクロファージは異物と、まず物理的にくっついて自分の中に取り込んでいきます。


異物を取り込んだところはそのまま「食胞」と呼ばれる、マクロファージにとっては胃袋の様な部分となり、 食胞に異物が完全に取り込まれると、マクロファージの細胞質の中にある「リソソーム」と呼ばれる顆粒の部分が 食胞と融合して加水分解酵素などの酵素を食胞内に放出して、食胞内で異物を分解してしまいますが、 この一連の行動が、貪食細胞の「食作用」と呼ばれています。


※「加水分解酵素」とは、対象物(糖、タンパク質や脂質など色々ありますが、細菌の表面なら主に脂質か糖でしょう) に水を加えることで分解する働きをする酵素の事ですが、この説明だとそのまんまかな?
似たような説明を「」のページでした記憶がありますので この説明では不十分だという方はそちらもご覧ください。
でも、同じような説明だったような気がします。



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獲得免疫(適応免疫、後天性免疫)での役割

基本的にマクロファージは自然免疫系に入るのですが、獲得免疫系の ヘルパーT細胞を活性化させると言う能力も持っています。


まず抗原を摂取したマクロファージは免疫細胞間の話し言葉の様な役目の 「サイトカイン」と呼ばれる化学伝達物質を産生します。


また「食作用」によって分解した異物の欠けらである「抗原」を、 MHCクラスU分子という掲示板の様な働きをするものに載せて、 自らの表面に出しますが、これを「抗原提示」と呼びます。


この抗原提示を受けてヘルパーT細胞は、その活動を開始するのですが、 こうして活性化したヘルパーT細胞は「インターロイキン」「リンフォカイン」等の化学伝達物質サイトカインを産生して、 抗体を産生するB細胞だけでなくマクロファージ等の貪食細胞も活性化するといわれています。


そしてまた、獲得免疫系のB細胞が産生した 抗体(免疫グロブリン)に取り付かれ、 身動きが取れなくなった抗原である異物は「抗体−抗原複合体」となりマクロファージたち食細胞にとっての貪食の対象となるのですが、 この抗体が付いた抗原は、マクロファージたちにとってはとても食べやすい状態といわれています。


その上、マクロファージ・好中球や樹状細胞などの貪食細胞は、この様な外部から侵入してきた異物だけでなく 毎日5,000個以上もガン化しているという人体の細胞が、本格的なガンとならない様に、 ガン化した自己の細胞を非自己として捕食しているものと考えられています。


このようにマクロファージは自然免疫系に含まれながらも、 獲得免疫系にも協力しながらその一方ではガン細胞退治までしている、守備範囲の広い存在といえるでしょう。



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