B細胞(bone marrow derived)
骨髄内で生まれたリンパ球が胸腺に行かず、骨髄内でそのまま成熟したものが「B細胞(Bリンパ球)」と呼ばれ、
全リンパ球の20〜30%を占めているといわれています。
※B細胞の成熟には消化管の影響もあるといわれています。
「B細胞」は体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物に取り付いて攻撃したり、
他の免疫細胞が攻撃するための目印になったりする「抗体」を作れる唯一の細胞です。
そのために、B細胞は異物が侵入しやすい腸管で待ち構えていて抗体を作ることが知られています。
(体全体の約70%の抗体を腸管で作るといわれています)
抗原(細菌やウイルスなどの異物)が体内に侵入すると、B細胞は抗原に近づき表面の手(抗原レセプター)
で相手を捕まえようとします。
相手が、この手(抗原レセプター)で捕まえられれば、以前にも捕まえた事のある=感染したことのある抗原という事になり、
そのままB細胞は増殖を始めて戦闘状態になります。
しかし、抗原レセプターで捕まえられない時は(その抗原とは初顔合わせか、あるいは「免疫の記憶」が薄れているので)
その抗原を細胞内に取り込んで分解し、その断片をMHCクラスU分子という
他の免疫細胞達に見せる掲示板のような物に乗せて、
司令官であるヘルパーT細胞へ抗原提示(報告)して判断を仰ぎます。
いずれにしても(抗原レセプターが一致するか、ヘルパーT細胞からの攻撃命令があるか)
異物が侵入者だとわかるとB細胞は一気に増殖しながら自らの表面に大量の抗体をつくり放出します。
抗体は始め免疫グロブリンM(IgM)がほとんどですが次第に別の種類の物に変化していくと言われています。
抗体(免疫グロブリン)の種類には
IgA
IgD
IgE
IgG
IgM
の5種類があります。
放出された抗体は鍵穴に入る鍵のように、それに合う抗原にしかくっつきません。
大量の抗体は血液の流れに乗り体中を巡り、
くっつかれた抗原は周囲を多数の抗体に囲い込まれ身動きが取れず活動できなくなるのです。
抗原との戦いが済むと(ある程度の抗体を作ると)B細胞は死んでしまいますが、
増殖の段階で抗体をつくるものとは別に「メモリーB細胞(記憶細胞)」へ分化するものが出現し、
このメモリーB細胞は長生きして、再び同じ抗原(細菌やウイルスなど)に感染した時に備えて待機しているのです。
前述の「免疫の記憶」とはこの待機が続いている状態という事なのです。
※この「メモリーB細胞」も「メモリーキラーT細胞」と同じく抗原の情報を記憶しておくと言う
「獲得免疫(適応免疫)」の一端を担っています。
ワクチンなどの予防接種で、無毒化した(或いは弱毒化した)ウイルスなどを体内に入れるのは、
このメモリーB細胞に記憶させ同じウイルスなどの侵入に備えさせるため(免疫力をつける)なのです。
※ただし抗原には無数の種類があるといわれています。
例えばインフルエンザウイルスの様に、細菌やウイルス自体の種類が物凄く多かったり、
次から次へと新型が出来たりするような相手には完璧な効果は望めなかったりします。
※あと、身近な例ではノロウイルスの様にワクチンが作れないウイルスもいます。
免疫だって完璧じゃありません!予防も大切です。
帰宅したらうがいと手洗い。
食事は十分加熱するか、生ものはできるだけ短期間のうちに使い切りましょう。
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ヘルパーT細胞
(メモリー)キラーT細胞
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