胃腸の病気


胃腸の病気

もともと日本人は食事の塩分摂取量が多いため、胃腸の病気になる確率が高いのだといわれてきましたが、 最近では、食の欧米化も加わって大腸ポリープやガンなどの大腸の病気も増加しているようです。
その上、消化器官は精神的な不安定さなどにも影響されるため、現代社会のストレスだらけの生活で、胃腸はかなり疲弊していると思われます。


塩分の過剰摂取、脂肪の多くなってきた食事内容に、ストレスと良い事は一つもなく、 食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、喫煙、睡眠不足を加えれば、すでに八方ふさがりと言う状況でしょう。


上に挙げた原因は、とりもなおさず生活習慣病のものと同じですから、胃腸の病気の原因は生活習慣病の原因と イコールになると言えるかもしれません。
解かりやすく言うために極端な事を言えば、大腸がんも糖尿病も元をただせば同じ?
……かなり無理がありましたが、言わんとしている事をくみ取っていただければ幸いです。


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ただ、高血圧や糖尿病にならないまでも、普段から胃や腸が弱いと色々な場面で一歩引いてしまいたくなります。
食事会や飲み会に誘われても断らなければならなかったり、旅行に行くのにも急な下痢などが出るのではと心配したり、 人によってはいつ爆発するのか分からない爆弾を抱えているみたいだともいえます。


ただでさえ胃腸に不安があるのに、新年度などで周囲の環境が変化して、新しい職場、新しい学校クラス等にもストレスを感じて、 新年度など胃腸科クリニックを受診される人が増加するというのもうなずけます。
現代人も結構大変な思いをしていると言う訳ですネ。



では、胃腸を丈夫にするのには、少なくても爆弾が爆発しないようにするのにはどうすればいいのか、 上に挙げた原因を取り除いていけばいいのか?


確かに、取り除けられるのなら取り除いた方が良いのですが、簡単に取り除けるくらいなら、病気になったりしないと思います。
そこで、この中でどれか一つか二つとか、出来そうなことを出来る時にやってみるというのはどうでしょうか?


全ての食事で塩分を減らせればそれに越したことは有りませんが、それでは濃い味付けになれた味覚が満足できないでしょうから、 朝食に必ず味噌汁を飲むのであれば、具やだしはそのままで味噌を半分に減らしてみるとか(基本的にだしにも塩分は入っています)、 毎週末には焼き鳥を肴にしていたのなら、それを蕎麦に代えてみるとか、今まで駅のホームへはエスカレーター派だったけれど これからは見栄を張って階段を使うようにとか……。


取りあえずそんなところから入ってみて、薄味の味噌汁に慣れてきたら他の料理も薄味にしたり、酢を使ったものにしてみたりとか、 焼き鳥から蕎麦へのシフトが楽になったら、今度は、月一の焼肉パーティーを肉の無い野菜だけの「焼き野菜」パーティーにするとか、 階段の昇降が苦も無くこなせるようになったら今度は一駅歩いてみるとか……。


まあ、ここまでで出来れば、胃腸もかなり丈夫になると思いますけれど……。くどいようですが出来ればの話です。 (もっともこれが出来るのなら、胃が痛くなったり腸の具合が悪くなったりはしないですよね) ※野菜を焼き肉のたれに付けて焼くと何と無く肉も食べている様な気分になれます!



でも、飲み過ぎ食べ過ぎは本当に気をつけましょう。
特に、ストレスを解消する手段としての暴食は良い事は一つもありません。
よく噛んで唾液の分泌を促せば胃にはその分負担を掛けなく出来ますし、少ない量でも満腹感が得られるはずです。


そう、腹八分目というのは当たっているのです。
実際にその様な、受けたストレスと食べる量が正比例するという人は良く見かけます。
そして、そういう人に限って肥満では済まなくて、血圧が高いとか、コレステロール値が高いとか、糖尿病の予備軍 になってしまったなどという話を聞きます。


こういう人は食事の間隔を出来るだけ長く開けて、せめて胃腸が休む時間を意識して作ってみてはいかがでしょう。
ついでに腹部を温め胃腸の血行を良くすれば少しでも胃腸への負担が軽くなります。

胃腸の弱い人は夏でも冷やさない方が良いと思いますョ。
もちろんこれで血圧やコレステロール値が低くなったりはしませんが、胃腸は一息つけるはずです。
やってみて損はありません。


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そして、出来れば筋肉をつけるような運動をお勧めします。
運動も体が慣れて楽しくなるとそれだけでストレス解消になってきますし、 全身の血行も良くなり、何よりも自律神経系に働きかけることで胃腸の働きを維持しやすくなります。
特に腹筋がつくと腸管の収縮・弛緩が起きやすくなり消化を助けることだけでなく排便も楽になります。
ウォーキングの様な蠕動運動を促すようなものでも良いので出来るだけ時間を見つけて下さい。
運動すれば、睡眠も深くできるようになりますョ。


ところで睡眠と言えば、ストレス解消には睡眠が一番効果的なのは言うまでも在りませんが、 ヒトは20歳代半ばくらいから睡眠のリズムが変化して、一日の中で眠りやすい時間帯と眠りにくい時間帯が はっきり分かれて来るのだといい、その上、若い頃には出来た「寝だめ」も次第に出来なくなるといいます。
気をつけましょう!


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まあ色々書きましたけど、取りあえず明日の朝食の味噌汁の味噌を半分にしてみてはいかがでしょうか?
私もやってみましたが、3ヶ月ほどで1/3程度にまで減らせました。その後、試しに元の量で味噌汁を作ってみましたが、 濃くて飲めませんでした。
「今までこんな塩っ辛いものを飲んでいたのか……」というのがその時の感想です。


胃腸をはじめ体を丈夫にするというのも大事ですが、そのために無理をしては逆にストレスになってしまいます。
上に挙げてみた以外にも、自分に出来そうなことを探して試してみましょう。
体に良さそうな事は、今はどんなに些細に思える事でも、長い目で見れば体に良い結果が得られるはずですから。