腸と健康


消化管内は外部に曝されているのと同じ

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絵心がないもので、太り過ぎの「ナマコ」のような、あまりにも簡単すぎる図で申し訳ありません。


それはともかく、口から肛門にかけての消化管というのは、体の内側ではなく外側と考えてよいと思います。


体の内側イコール体内というのは、体の表面である皮膚から胃や腸などの消化管まででなので、 消化管の内側、つまり食べ物が通るところは体の外、体外ということになります。


つまり、ヒトをはじめとした動物の胃や腸などの消化管は、体内ではなく実際には体の外側として考えられています。


私たちは穀物や肉、野菜などの食物や水などの飲食物を全て口から飲み込み、 そのまま消化管の内側から体内に入ることなく通り過ぎていくのです。


もちろん消化されて「栄養素」として吸収されれば体内に入りますが、食べたものが全部吸収されるわけでもなく、 そのほとんどが便になって排出されることになるのです。


極端ですが解かりやすくするために「ナマコ(の様なもの)」を例に挙げて描いてみました。


ヒトなどの動物を単純化してナマコにしてみると口から肛門まで一本の管でそれが消化管になります。
口から入った食物などは消化管を通り過ぎていくだけで、栄養素に分解されない限り体内には入れないのです。


つまり、消化管とは見方を変えれば皮膚と同じで常に外部環境に曝されている部分なのです。





腸は細菌やウイルスに侵入され易い器官

消化管は大まかに半分に分けることが出来ます。
消化をする十二指腸までの部分と、吸収をするそれよりも下の部分です。


消化吸収という事は体の外から入ってきたものをまずは体の中に入れる事から始まります。
もちろんヒトに限らず動物は体の中に栄養を摂って生きていくわけですし、植物と異なり食べる以外の方法は持っていません。
その時に、当然のことながら栄養以外にもいろんなものが入ってきてしまうのです。


つまり食べた食物と一緒に、数多くの細菌やウイルスあるいは寄生虫等などの異物も 消化管までは入って来てしまいます。


これが皮膚であったなら、表面は硬い皮があるので怪我でもして傷ついているのでもない限り異物たちもそう 簡単に体内に侵入して来ることもできないでしょうが、腸など消化管の内側は基本的に皮膚に比べ柔らかいですから、 比較的簡単に侵入されてしまう可能性があります。


ただ、食道や十二指腸等は通過時間も胃や腸に比べて短く、胃の中も胃液などの消化液によりかなりハードな状態ですが、 腸の中はこれらに比べると細菌などが快適に生存しやすい場所になるでしょう。


吸収器官でもあるので食物などの内容物もゆっくり進むでしょうし、便秘にでもなればそのまま停滞してしまう事にもなります。
そのため消化管で最も異物に曝され易く、またそれらによる危険性をはらんでいるのは腸だとも考えられます。



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細菌

免疫を発達させるためには

前述のとおり、腸管内は細菌やウイルス等の異物に常時曝されている危険地帯なのですが、 同時に、体内の免疫細胞の60〜70%が集中しているともいわれる場所でもあります。


生物が生存していくにあたり、外部からの異物の脅威には出来るだけ抵抗しなければなりませんし、 その為にも免疫系により強力になってもらわなければなりません。


異物の侵入が多い器官に免疫細胞が集中しているのは、 侵入して来る異物を片っ端から排除するためだけではないのです。


侵入してきた異物の情報つまり抗原を、少しでも多く自分たちの糧として取り込み、 自然免疫系だけでなく強力な獲得免疫系を 発達育成していくために免疫細胞は集中しているのです。


腸管内のパイエル板上のM細胞から取り込んだ 細菌などの異物を、その直下で待ち構えている樹状細胞が捕食し殺菌分解、 直ちに抗原提示をすることによりヘルパーT細胞が活性化、 そこから放出するサイトカイン等の情報伝達物質によりB細胞等の 各種免疫細胞達が活性化した後、一部のT細胞B細胞が記憶細胞となりその後長期にわたり免疫の記憶となって残留していきます。


腸内の免疫機能が、この一連の過程を繰り返しまた多くの種類の抗原を記憶することにより、 強力な免疫系が構築されひいては病気にも負けない健康な体に近づくのです。


腸管内は、細菌やウイルスが増殖するには良好な環境であるため、 胎児のときは無菌であったはずが24時間もたたないうちに細菌が繁茂しはじめて、 成人する頃には数百〜1,000種類、100兆個という数字になってしまうといわれています。


これら常在の菌は腸内細菌叢や腸内フローラとも呼ばれ、その後一生腸管内で私たちヒトと共生していく事になります。



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腸内の免疫機能

腸内細菌叢と免疫系

腸内細菌叢や腸内フローラと呼ばれている私たちの腸の中で共生している常在菌は、 若く健康な時には腸内細菌叢も体に良い善玉菌の仲間が多くみられる様になりますし、 加齢や病気がち暴飲暴食、ストレスなどが重なれば体に良くない悪玉菌が増え毒素を出したりたり、 日和見菌と呼ばれる仲間も調子のいい時には無害なのですが悪くなると害を及ぼします。


でも、これらの菌達も免疫にとってはとても良い発達のためのアイテムになります。
何といっても1,000種類もあるのですからそれらを抗原として記憶しておけば、 それだけ強力な免疫の記憶を持つことが出来るのです。


ただ、だからと言って無理にストレスを溜めて悪玉菌を増やしてもあまり意味はありません。
免疫の発達育成ために必要なのはほんの少しの菌ですし、どちらかと言えば量より多くの種類が必要なのですから、 ここはいろんな発酵食品等を少しずつ食べることで色々な菌を摂ることをお勧めします。



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善玉菌(乳酸菌)
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免疫


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