抵抗力と生活環境


私たちの生活環境

私たちは細胞という生命の最小単位から構成されています。
ご存知の通り地球上の生命はこの部分では同じです。


ただし、ウイルスは細胞で出来ていませんので生物という範疇からは少し離れてしまいますが、 ここでは横道になってしまうのでウイルスの話は別のところでしますが……。


ウイルスはともかく、細菌は細胞から出来ているのでもちろん生物です。


でも、私たち細菌以外の動植物とはひとつひとつの細胞のサイズが違います。


動物や植物の細胞もその一つ一つはとても小さなものですから当然顕微鏡を使わなければ見ることが出来ませんが、 細菌の細胞はといえば、動植物の細胞よりはるかに小さいのが普通なので、 同じ細胞とはいえ比較的大きな植物の細胞なら理科の授業などで細胞質や核の状態まで観察した人も多いと思いますが、 細菌を見るのは学校にあるものではちょっと無理かも知れません。


でも、細菌を実際見ることが出来なくても、顕微鏡でも見えない程サイズがくても、 それらがいるのは確かですから、同じ広さの環境に一緒にいるのですから数の上では多いという事が容易に想像できるでしょう。


地球上の細菌を含めた生き物全ての細胞の数を数えた人はいないでしょうが、 多分私たちの様な目に見える生き物の方が圧倒的に少ないはずです。
例えウイルスを含めなくても細菌だけで地球上の生物のそのほとんどを占めることでしょう。


私たちヒトは細菌という目に見えない生物達の中にどっぷりつかっている状態で暮らしているのです。



関連ページへ
細菌


この環境で生きていくための抵抗力

私たちの周囲に広がるこの細菌だらけの環境は、 人工的に無菌室でも作ってその中に入らない限り逃れることは出来ないでしょう。


細菌達はヒトに危害を加えたり、ヒトの役にたったりしながら私たちと同じ環境に棲み、 好むと好まざるとにかかわらず共生という関係を結んでいます。


むろん役に立ってくれるのならありがたいのですが、危害の方も馬鹿にはなりません。


そこで私たちは、彼ら目に見えない隣人たちと同じ環境で生きていくために、 免疫という細菌達の危害から防御する能力を先祖代々育んで発達させてきました。


なにぶん相手は目に見えないのですから、私たちの祖先が猛獣に襲われた時の様に避けるわけにもいきませんし、 私たちに接触するように生きている相手ですから、近寄らないでいるというのも現実的ではありません。


結局のところ、自分の体内に侵入してきたところを捕まえて排除することになったのです。
「自分でないものを排除する能力」という力を得て、 私たちはこの細菌だらけの環境でも生き抜けるように 進化したといっても間違いではないでしょう。


この能力が「免疫」つまり「抵抗力」ということです。



関連ページへ
細菌
免疫

抵抗力を獲得するためには

では、細菌達に抵抗する力とは具体的にはどんなものなのでしょうか?


まず細菌などの異物が体内に侵入してきたことが判らなければ何も始まりません。


そこで自然免疫として最初にマクロファージ等の貪食細胞が、 侵入者とおぼしき相手が自分か自分でないかの判断をします。


ここで自分ではないと判断されれば「食作用」という捕食に掛かり、相手を殺菌分解していくのですが、 この場合は相手が、正常な状態ではなくなった「元は自分の細胞」だったものも含まれます。


相手が少数の時はこれで解決するところなのですが、細菌の数は私たちの細胞の数とは比べ物になりませんから、 毎回これで終わりと言う訳にもなりません。


そこで貪食細胞は食べ終わった相手の情報をもっと強力な免疫細胞達に伝える能力があります。 それが「抗原提示」です。


この抗原提示を受けてT細胞B細胞等の強力な免疫細胞達が機能をはじめて行き、 そしてその一部は記憶細胞として獲得免疫を司る中心になっていくのです。


ただし、残念ながら私たちは生まれた時点でまだ完全に免疫は機能していないのです。
土台だけはしっかりしたものがあるのですが、その上の骨組みや壁、屋根などは自分で作っていかなければなりません。


つまり自然免疫は生まれた時点でほぼ機能しているのですが、 獲得免疫の方は記憶に頼る部分があまり機能していません。


ヒトは胎内では無菌状態ですから、生まれたその次点から獲得免疫系を使い 環境内の細菌等の洗礼を受けながら 彼らを記憶し彼らに抵抗する力を獲得して行かなければならないのです。


でもこれには時間が掛かりますし、特に若いうちに記憶しなければ、齢をとって免疫機能そのものが衰えてからでは 免疫の記憶の効率も良くないでしょう。


最近「除菌」とか「抗菌」という言葉をよく聞くようになりましたが、 免疫の記憶を形づくるという事を考えるとあまり良くないような気もします。


もちろん、まだ免疫機能が発達していない子供たちや、 体力そのものが衰えている病人の方やお年寄りには必要不可欠なものですが、 基本的に体力があり年齢もそれほどでもないのであれば(まだ自分は若いと思えるのなら)出来るだけ 使用は控えた方が結果として良いのではないかと考えます。


ただし、くれぐれも無理はしないようにお願いします。
世間でノロウイルスやO157などが流行しているときは迷わず使いましょう。
ヒトが先祖代々育んできたとは言え、まだそこまでは免疫機能も完璧ではないのですから。



関連ページへ
細菌
免疫
マクロファージ
T細胞
B細胞
O157(病原性大腸菌)

免疫力を高める効果があるサプリメントのご紹介をします



HABA研究所 「ビフィズスミックス150億」




配合されているフェカリス菌(エンテロコッカス属フェカリス種)は、プロバイオティクスとしての整腸作用も備えている他にも、 コレステロールや中性脂肪の低下作用、アレルギーや腫瘍・自己免疫疾患などへの応用 も期待されている新型乳酸菌として注目されています。

※詳しくは、上記の商品画像リンクから公式サイトに入るか、下記の詳細ページにてご確認ください。

「ビフィズスミックス150億」詳細ページへ