好中球


好中球

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好中球(neutrophile)



通常の血管内に流れている血液を「末梢血」と呼びますが、その中には種類も数も多くの白血球が存在しています。


この白血球は、まず大きく三つに分類されそれぞれ「リンパ球」「単球」「顆粒球」と呼ばれています。
そしてこの「顆粒球」の中に「好中球」「好塩基球」「好酸球」という種類があり、 それぞれが自然免疫の重要な一端を担っています。


この顆粒球の特徴としては、第一にその細胞質の中に殺菌作用を持つ顆粒が存在している事。
次にその数の多さが他の白血球と異なるところで、末梢血内の白血球全体の50%〜70%程度の数量になるといわれています。
特に好中球はその顆粒球のほとんどを占めますから、数の上では「白血球=好中球」といってもいいかもしれません。


また、顆粒球は血液標本染色法の1つである「ギムザ染色法」で染色すると塩基性の色素で染まる好塩基球は青紫色、 酸性の色素で染まる好酸球は赤色、中性の色素で染まる好中球は赤紫〜紫桃色で染め分けられるため染色の違いによりこの三つに分類されます。
ちなみにこのギムザ染色法では、赤血球は桃〜青味がかった赤色、白血球の核は青紫、血小板は青色に染色されます。


血液中の白血球の過半数を占める顆粒球の中でも、好中球はその顆粒球全体の90%以上を占めているといわれています。


好中球の基本的な形は、おおむね球状なのですが、体内でアメーバの様に動き回るため余り形は定まっていません。
ただ、細胞内の核の形が桿状の段階を経て核のみが分かれる分葉の状態になることが知られていて、 前者を桿状核球または杆状核球、後者を分葉核球と呼び分類されてはいます。
そして、寿命は、だいたい10数時間〜数日程度とされています。


好中球の能力は、細菌やウイルスなどの異物を取り込み、 自分の細胞質内の食胞で放出する過酸化水素などの「活性酸素」や、 あるいは顆粒から放出する抗菌活性を持つ「ラクトフェリン」等によって 強力に分解・殺菌してしまう「貪食能」と呼ばれる能力が挙げられます。


そしてこの貪食能をより効果的に使うために、細菌やウイルスに感染した細胞達が出す 炎症性のサイトカインや、異物の成分に自分から向かって進んでいける「遊走能」と呼ばれる自由な移動できる能力があります。


これら二つの特殊な能力により、生体が細菌やウイルスなどに感染した場合には、 その数の多さも相まって細菌やウィルスに感染した細胞のいる現場へいち早く駆けつけて、 異物を駆除することが出来るのです。


具体的には、細菌ウイルスなどの異物が体内に侵入すると、 その組織内の肥満細胞やマクロファージから免疫細胞間の情報伝達物質 であるIL-1(インターロイキン1)などのサイトカイン(免疫細胞たちの話し言葉のようなもの)が放出され、 それを受けた周囲の細胞達が次々と炎症反応を引き起こし、IL-8(インターロイキン8)などを放出します。


これらの物質が好中球を集める「好中球遊走刺激因子」となって好中球達が細菌や ウィルス等の異物が侵入した組織に集まってくるのです。


好中球は異物に接触すると、自分の表面にあるレセプターと呼ばれる相手を認識するための触角によって、それを自己か非自己かを見極めて、 自分はでない外部から侵入してきた「非自己」と判断した場合は、自らの中に取り込んでいきます。
取り込まれた細菌などの異物は「活性酸素」「過酸化水素(これも活性酸素の仲間です)」 「ラクトフェリン」「リゾチーム」「エラスターゼ」などにより殺菌・分解されますが、 異物を取り込んだ好中球自身もやがて死んで膿になってしまいます。



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自然免疫
細菌
ラクトフェリン
マクロファージ
免疫

好塩基球

塩基性の色素で染まる顆粒球で、前述の様に青紫色に染まります。
数量としては、白血球全体の1%程度といわれています。


免疫グロブリンE(IgE)に対するレセプターを持っていて、 免疫機能に関与しているといわれています。



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抗体(免疫グロブリンE)
免疫

好酸球

酸性の色素に染まる顆粒球で、前述の様に赤色に染まります。
数としては、白血球全体の数%程度を占めています。


他の白血球に比べて遊走能・貪食能ともにあまり強くは無いのですが、 寄生虫(卵)への障害能や、アレルギー反応の制御に力を発揮すると考えられています。




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