ラクトフェリシン(Lactoferricin:LFcin)
「ラクトフェリン(Lactoferrin:LF)」をペプシンで分解した「ラクトフェリシン(Lactoferricin:LFcin)」は
ラクトフェリンより強力に細菌の細胞膜に障害を与える抗菌活性を示すといわれています。
ペプシンで分解ということは取りも直さずラクトフェリンを
胃で消化した時に生成されるのがラクトフェリシンという事になります。
※摂取したラクトフェリンが全て胃の中でラクトフェリシンに変わる訳ではありません。
言い方を変えれば、胃液の中に含まれているタンパク質分解酵素のペプシンによって、
蛋白質であるラクトフェリンが分解され部分ペプチドと呼ばれる物質が生成されるのですが、
これがラクトフェリシンという事なのです。
※1992年にラクトフェリシンが発見されたときは、ラクトフェリンを試験管内でペプシンによる消化実験過程で見つかっただけなのですが、
その後ヒトなどの動物の胃の中でも同じように摂取したラクトフェリンからラクトフェリシンが生成されることが判ってきました。
このラクトフェリシンのラクトフェリンと比べた特徴は(ラクトフェリシンの)抗菌活性が
ヒト由来とウシ由来のラクトフェリンからとでの違いはあるものの、およそ数十〜数百倍はあるといわれていて、
ラクトフェリンの抗菌活性が主に細菌の抑制作用があるのに対し、
ラクトフェリンのそれは抗菌・殺菌作用に優れているといわれています。
また、その抗菌活性は腸内細菌の中だとクロストリジウム(ウェルシュ菌)や
大腸菌等の悪玉菌に対して特に強い作用があるといわれていますが、
逆にビフィズス菌等の善玉菌に対しては
抗菌活性を示さない場合もあるといわれています。
そしてラクトフェリシンはラクトフェリンと同じく、免疫調節活性機能、
抗酸化活性機能、抗炎症活性機能やガン細胞への細胞障害活性機能等が期待されていて、それらに対しての研究がなされてもいます。
※ラクトフェリシンはラクトフェリンが胃液によって変身した、
スーパーラクトフェリンといったところでしょうか?
※ちなみに摂取方法としては、口からラクトフェリンを摂れば胃の中で自然とラクトフェリシンが作られますから、
牛乳でもサプリメントでも好みのものを普通に飲んでいれば良いと思いますョ。
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